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 今回のT-1ワールドカップにエントリーしている24枚のTシャツ。
 ステファン・サグマイスターさんが送ってくれた着用写真を見て
 ふと、思ったのですが、
 やっぱり、Tシャツって、誰かに着られることで
 また、ちがった発見があるというか、
 よりいっそう、イキイキと見えてくるんですよね。
 でも、ふつうにモデル写真を撮るだけじゃ、なんだかすこし、ヒネリが足りないなぁ‥‥。
 と、いうことで、思いつきました。 24枚のT-1のTシャツを着て、モデルになってくれる「チーム」を大募集します!
 そうです、いわゆる「集合写真」です。カメラ用語(?)で言うなら、「一発撮り」です!
 ようするに、24名(以上)いるチームに集合してもらい、
 そのメンバーそれぞれに、
 24枚のTシャツのうちのどれかを着てもらって、
 その集合写真を、撮影させて頂きたいのです!
 こんど、サッカーの試合をするので、対戦相手のチームと一緒に出ます!
 草野球のチームをやってるので
 練習後のグラウンドでモデルをしてみたい!
 うちのラクロスチームは
 写真映えのする美女ぞろいですよ!
 クラスの仲間との思い出に!
 職場を挙げて、モデルに立候補します!
 ‥‥などなど、東京近郊に集まることが可能で、
 24名以上のメンバーを集められれば、
 どのようなチームでも、オッケーです!
 もちろん、友達が多いので、かきあつめます!な〜んて、チームに名前がなくても、大丈夫。
 24人が集まれる日時と場所に、T-1ワールドカップ事務局が
 24枚のTシャツを持って、
 カメラマンさんと一緒にお伺いいたします!
 そしてもちろん、撮影させて頂いた写真は、
 このページにて掲載させて頂きますよ。
 応募の締め切りは6/22(木)まで。以下のアドレスに、
 タイトルを「チームモデル立候補」とした
 応募メールを、どしどしお送りください。
 mail@t-1.cc 撮影の期間は、6/23(金)から7/3(月)を予定していますから、
 その期間中に、24名のメンバーが集まれる日時を
 代表者のお名前、おおまかな集合場所とともに、
 応募のメールのなかに、書いておいてくださいね。
 厳正なる審査の結果、みごとモデルとして選ばれたチームには
 あらためて、T-1事務局からお知らせいたします。
 なお、T-1ワールドカップ事務局が撮影におうかがいできる範囲に限りがありますので、
 まことに残念なのですが、今回の応募は
 東京近郊に集まることのできるチーム
 とさせて頂きます。
 そこのキャプテン!そこの幹事長さん!
 あなたのチームをTシャツの世界大会のモデルとして
 ワールドデビューさせてみませんか?
 みなさんからの応募を、お待ちしております!
2006/6/16 金曜日 
 建築の分野から、『Casa BRUTUS』副編集長・西田善太さん。
 広告の専門家、
 『宣伝会議』編集長の田中里沙さん。
 デザイン・アート関連のウェブマガジン
 『Pingmag』編集長の、ウレシカさん。
 そんな、各界を代表する3名のスペシャリストにお集まり頂き、
 今回のT-1ワールドカップについて、
 自由に語り合ってもらいました。
 本日から3回に分けて、ほとんどぜんぶ、お届けします。
 なお、おさんかたのプロフィールについてはこちらをごらんください。
 それでは、どうぞ!  
 
 
| ── | 本日は、おさんかたにお集まり頂いて、 最終的には、チャンピオンを予想するところまで
 お話が発展していったらと思うのですが、
 まず、ざっとTシャツをごらん頂いて、
 みなさんの第一印象を、お聞かせください。
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| 田中 | 参加デザイナーの数も増えましたし、 どのTシャツを選んでいいのか、
 今回はますます悩ましいですよね。
 自分の国のデザイナーのTシャツを着て、
 自分の国を応援しようっていうのが
 コンセプトのひとつとして、あるんですよね?
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| ── | そうなんです。 |  
| 西田 | 今年は建築家にアプローチしていますね。 青木淳さんと、クライン ダイサム アーキテクツ、
 そしてウスマン・ハックさんの3組。
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| ── | 『Casa BRUTUS』副編集長である西田さんが 青木淳さんのTシャツをごらんになってみて、
 どんな感想を抱かれましたか?
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| 西田 | なんといいますか、 青木さんらしいな、と。
 |  
| ── | どのあたりが、でしょうか? |  
| 西田 | あまり過度に、いじっていない。 でもこれ、ボディの裏側まで見ないと
 わからないんじゃないですか?
 
 線が、裏まで入ってますよね。
 この線は、糸のつもり?
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| ── | さすがに鋭い! そうなんです。 ちなみに、そのTシャツには、
 「ステッチド」という名前がついています。
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| 西田 | 建築的なTシャツ、と 言えないこともないですけど、
 それよりも、青木さんて
 ちょっと「いたずら心」があるんだと思います。
 
 おどろかせすぎないというか
 ほとんど白いTシャツなんですけれど、
 でも、単純なところに落としていません。
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| 田中 | そうですね、見れば見るほど。 |  
| ── | ウレシカさんの第一印象は、どうですか? |  
| ウレシカ | Tシャツをパッと見たときに そのデザイナーがどの国の出身なのか、
 なんとなくわかるところが、おもしろい。
 
 あと、多くのデザイナーが、
 Tシャツを白地にしてるじゃないですか。
 いろんな肩書きのかたがいらっしゃいますけど、
 白地のうえにデザインを載せていく、というのは
 ひとつのデザインアプローチとしてあるのかな、
 と思いました。
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| ── | 今回は、参加デザイナーが代表する 国の数もさることながら、その職業も千差万別です。
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| ウレシカ | いろんな角度からのデザインが見られて、 ほんとうに楽しいですよ。
 キンガさんのショパンのTシャツなんか、
 まさにクレイジーなアイデア(笑)。
 ハーマンズトラさんのTシャツは、
 彼の要素がギュっと凝縮されています。
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| 田中 | ファンクスタジオのTシャツも、 すごくおもしろいですよね。
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| ウレシカ | 昔のアディダスのデザインに似ていますね。 以前、わたしの弟が、
 こんなTシャツをよく着ていましたよ。
 
 でも、これだけのデザイナーを、
 よく集めることができたなぁって思います。
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| ── | T-1には、勝ち負けが存在するのですが、 そういった意味で言うと、勝負のポイントは
 どのへんになると思いますか?
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| ウレシカ | 今回のT-1は、サッカーW杯と 開催期間がおなじ、ということもあるし
 見ている側としては
 自分の国の代表デザイナーを応援しよう、
 というような気分があると思います。
 作る側のほうも、みなさんすごく
 Tシャツにメッセージを込めていて、
 それをかたちに落とし込んでいますよね。
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| 田中 | そうですね。 |  
| ウレシカ | だから、そのメッセージを、 買う人がどう受け止めるのか、
 どのTシャツに、一票を投じるのか。
 今年のT-1では、そういった部分も
 勝負のゆくえを左右しそうですよね。
 |  
| ── | なるほど、なるほど。 |  
| 田中 | 昨年の第1回から参加しているかたも、 今回のT-1にかける「思い」が
 いっそう強くなっている感じがします。
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| 西田 | ひとつ、お聞きしたいんですけれど、 今回のテーマに決めたとき、
 どんな基準でみんながTシャツを選ぶだろうと
 想像していたんですか?
 |  
| ── | 自分の国のデザイナーを応援したい、 という気持ちも強いと思いますが、
 でもやはり、最後はTシャツの「デザイン勝負」に
 なってくるのではないか、と予想しています。
 |  
| 西田 | ほう‥‥そうですか。 デザイナー同士の闘いなんですね、要は。
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| ── | もちろん、出身国のことまで含めて選ぶ人も、 純粋にこのデザインを応援したい、
 といって選ぶ人も、
 どちらもいらっしゃるとは思うのですが‥‥。
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| 西田 | いちばん売れたデザイナーが優勝するという T-1のルールが、とても素晴らしいですよね。
 というのも、みんながみんな、
 デザイナーの名前で選ぶわけじゃない。
 きちんと、デザインで選ぶことができる。
 
 その構造が、T-1の素晴らしさであり、
 おもしろいところなんじゃないでしょうか。
 |  
| 田中 | まさに、そうですね。 |  
| 西田 | たとえば、街で同じTシャツを着た人と 出会ってしまったりとか、ありそうじゃないですか。
 デザイナーも、そのあたり葛藤がありますよね。
 Tシャツが「かぶって」しまったら
 イヤなんだけれども、
 でもやっぱり、多くの人に買ってほしいという(笑)。
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| ── | そこで、かぶってもイヤじゃないTシャツって どんなものなんだろうって、
 みなさん、きっと考えている思うんです。
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| 田中 | 同じTシャツに投票した、ということで 共感することができたら、楽しいですよね。
 ああ、あなたもこのTシャツに1票入れたのね、
 みたいな連帯感というか。
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| ── | 田中さんは、T-1と 他のTシャツのイベントで
 なにか違うところがあるとしたら、
 それは、どのあたりだと思いますか。
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| 田中 | 昨年の第1回T-1を見ていて、 あらためて、Tシャツって「メディア」なんだな、
 ということを認識しました。
 そして、どの柄にするか、
 どんなものを良しとして着るのか、といった部分で、
 普通の洋服を選ぶときよりも、
 Tシャツを選ぶときのほうが、
 自分を試されているようなところがありますよね。
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| 西田 | うん、うん。 |  
| 田中 | だから、T-1を見ていると、 自分だったらどれを選ぶか考えるでしょうし、
 あるいは、あの人ならどれを選ぶのか、
 すごく知りたくなってきます。
 
 そんなところに、
 底知れぬ興味を持ちますね。
 |  
| ウレシカ | 去年の場合は、「これを買いたい!」という 判断が中心だったと思うんですけど、
 今回は、デザイン性に加えて
 メッセージ性も高いですから、
 よけいに、そういうことが気になりそう。
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| ── | そのことを踏まえながら、 田中さんの気になるTシャツは、どれですか?
 |  
| 田中 | うーん、このなかから1枚を選びだすのって、 すごく、難しいですけど‥‥。
 
 この、深澤直人さんのTシャツは、
 日の丸がバラでできていて、しかもサッカーボール。
 さまざまな要素が凝縮されているんですね。
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| 西田 | ああー、そうなんだ! |  
| ── | Tシャツの名前も「バラ色」です。 |  
| 田中 | おとなの「応援心」みたいなのが、 見てとれるようですね(笑)。
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| ── | ウレシカさんの目から見ると またちがった感想がありそうですけど?
 |  
| ウレシカ | そうですねぇ‥‥。 エリック・シュピーカーマンさんが、
 サッカー寄りのデザインにした理由は、
 今回のW杯のホスト国が
 彼の出身国であるドイツだということに
 大きく影響されてるんじゃないかな、と思います。
 
 真面目でシンプルなんだけど、
 おもしろみがあるデザインですよね。
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| ── | おお、分析的なご意見ですね。 |  
| ウレシカ | 今回の参加デザイナーのうち、 何人かを直接、知っているんです。
 だから、それぞれのパーソナリティが表れているな、
 と思うTシャツも、いくつかありますね。
 
 たとえば、ウスマン・ハックさん。
 彼は、実験的なデザインに興味があり、
 テクノロジーが大好きで‥‥。
 きっと、すごく悩んでこのデザインにしたんだろう、
 ということが、よくわかります。
 小さなツブが描いてありますけど、
 それをマジックペンで塗りつぶしていくと、
 また違うデザインができあがるというシカケとか、
 ウスマンさんの性格がよく表れていますよね。
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| ── | そうなんですか。 |  
| ウレシカ | 自分のことを建築家と呼んではいますが、 実際に彼がやっていることは
 そこから飛躍していて、
 電磁場を作ってみたりとか、
 技術を使って匂いを発生させたり。
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| 田中 | 西田さんも、おもに建築や プロダクトデザインの分野で
 お知り合いのデザイナーも多いですよね。
 
 
 |  
| 西田 | ええと‥‥、取材でお話ししたことがあるのは、 深澤直人さん、秋山具義さん、青木淳さん、
 祖父江慎さん、佐藤卓さん‥‥。
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| 田中 | それらのかたがたの Tシャツをご覧になって、いかがですか?
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| 西田 | はじめ、深澤さんのデザインは 原子とか、その類いのモチーフだと思ってました。
 ちょうど量子論の本を読んでいたので、
 あ、いまそういうのが来てるんだ、って(笑)。
 佐藤卓さんのデザインも「104.5°」だし、
 そうか、これからは理系の時代なんだ!
 と、思い込んでいたので、
 バラと聞いたときには、びっくりしました(笑)。
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| ── | そうですか(笑)。 |  
| 西田 | 昨年、卓さんが携帯電話をデザインしたとき、 一緒にパネルディスカッションをしたんですが、
 話をしていて、おもしろくてたまらなかったんです。
 
 今回の「104.5°」のデザインも、
 かなり興味をそそられますが、
 このTシャツを着ていて、その意味を問われたときに、
 きちんと説明できなきゃマズイなぁ、と。
 だから、購入ボタンをクリックするのに
 勇気のいるTシャツなんじゃないでしょうか(笑)。
 |  
| 一同 | ははははは。 |  
| ── | 深澤さん、佐藤卓さん、それに 青木淳さんが参加しているから‥‥。
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| 西田 | 今回は、『Casa BRUTUS』的にも(笑)、 悩みながらも、楽しめそうですね。
 
 でも、まず目についたのは、
 祖父江さんや可士和さんのTシャツかなぁ。
 あと、もちろん秋山具義さんのも。
 ただ、具義さんは
 青木淳さんに自宅を建ててもらってるわけだから、
 せめて、家にいるときくらいは、
 自分のTシャツではなく
 青木さんのTシャツを着るべきだと思います(笑)。
 |  <続きます>
2006/6/16 金曜日 T-1座談会「優勝するのは、どれだ!?」にお集まりいただいた
 おさんかたをご紹介します。
  西田善太(にしだ・ぜんた)
 雑誌『Casa BRUTUS』副編集長。1963年生まれ。
 1987年早稲田大学商学部を卒業後、
 株式会社博報堂コピーライター職を経て、
 1991年にマガジンハウスに入社。
 『BRUTUS』編集部、『GINZA』編集部を経て、
 2000年より『Casa BRUTUS』編集部。
 建築・デザインを担当する。
 柳宗理、安藤忠雄はじめ巨匠を追いかける特集、
 また住宅の特集などを手がける。
 2006年9月には最新の安藤特集を予定、
 また、10月には今までの安藤忠雄さんとの旅を
 まとめて特別ムックも発売する予定です!
 
  田中里沙(たなか・りさ)
 
 雑誌「宣伝会議」編集長。
 1966年、三重県生まれ。
 1989年学習院大学卒業後、広告会社を経て
 1993年株式会社宣伝会議に入社。
 広告電通賞、交通広告賞、
 全国広報コンクール審査委員なども務める。
 テレビ番組のコメンテーターとしても活躍している。
 『宣伝会議』毎月1日/15日発売6月15日発売号の特集内容
 特集1:目にとまる、クリックされるWEB広告のクリエイティブ
 特集2:検索連動型マーケティングの最先端
 
  ウレシカ(Uleshka)
 ウェブマガジン『Pingmag』編集長。1977年、ドイツ生まれ。
 ロンドンでウェブデザインの仕事をしていたが
 2001年、「どのくらいサバイブできるか試してみよう」と、
 ふらりと東京へ。
 結果、ずっと住もうと決意。
 その後、NHKのドイツ語講座に出演、W+K Tokyoにてフリーランスデザイナーとして活動、
 Blotto パーティーにてVJをはじめるなど、各方面で活躍。
 2003年にはIMGSRCにウェブデザイナーとして加わる。 そして2005年、IMGSRCにて『PingMag』を創刊。 現在、『PingMag』にてハッピーに仕事中!
2006/6/16 金曜日 
				
			
				
			
		
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