1956年 神奈川県生まれ。
建築家。東京大学大学院修士課程 (建築学) を修了後、磯崎新アトリエに勤務。「面白いことなら何でも」しようと、1991年に青木淳建築計画事務所を設立した。その通り、これまでの作品は住宅、公共建築、一連のルイ・ヴィトンの店舗に代表される商業施設など多岐に渡る。プール施設<遊水館> (1993年) は、その後のプロジェクトにつながるテーマを引き出し、日本建築学会作品賞を受賞した <潟博物館> (1997年) 、そして <青森県立美術館> (2005年竣工、2006年7月開館予定) へと続く。また <U bis> ではアーティストとしての別の創造性を見せた。主著には『建築文化/特集・青木淳』 (1999年11月号) や、個展カタログ『Atmospherics』 (2000年) 。2004年10月、初の作品集『青木淳 Jun Aoki Complete Works 1』 (INAX出版) 及び文章をまとめた『原っぱと遊園地』 (王国社) を出版した。2004年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
http://www.aokijun.com/






あなたの名前
青木淳

あなたは、今回、どの国の代表として参加しましたか?
その国名を記してください。
(基本的にはあなたのパスポートを発行している国、
 国籍が複雑な場合は、あなたが勝ったときに喜んでくれそうな国名を、どうぞ)
日本

このデザインが、どんな発想で生まれたかを教えてください。
(「いつ」「どこで」「どんな風に」‥‥どんなことでも)
ミシンの売場に行きました。ミシンの使い方を教わりました。
ほほう、そんなふうに縫えるのか、と感心しました。
この技術をもってすれば、Tシャツならすぐにつくることができるのではないだろうか、
と思いました。しかし、まだまっすぐ縫うことはできない。
いらない部分の糸をまだうまく切ることができない。
でも、それでも、いや「できそこない」のTシャツもまたいいではないか、と。

あなたのデザインしたTシャツには、どんな場所・状況が似合うと思いますか?
(具体的な地名や街の名前、通り、広場、お店などがある場合は、ぜひ、それもあわせて教えてください)
それは、もちろん、いまの日本。
どの野菜も整形されています。
その形は不自然ですが、だからと言って、
自然に育った、虫食いだらけの、ひんまがったキュウリは欲しくない。
フゾロイに憧れた、人工的な野菜がおいしそう。
町もまた同じ。
そんな今の日本の(潜在的な)クウキにあっているのではないか、と確信しております。

できあがったTシャツのデザインは、最初にイメージしていたものと同じですか、
それとも完成までに変化してきましたか?できあがりまでのプロセスを、お聞かせください。
着たときにどう見えるか。ステッチがちょっとほつれて、
糸が思いがけず花なり動物のかたちになっている瞬間。
そのヘンテコな、でもワザとらしくないバランスを、実際にTシャツを着てもらって、
立体的にスタディしたのでした。

今回のTシャツをデザインすることは、これまでの仕事(や活動)と比べて、
なにか違うところがありましたか?
違いますね。建築の設計と違って、原寸大で試せるのですから。

あなたのデザインしたTシャツに名前をつけてください。
(名前はそのまま作品名になります。)
ステッチド(stitched)

あなたのデザインしたTシャツに興味をもって、
このページを見ているみなさんにメッセージをお願いします。
見えているモノそのものが、そのモノの実体ではなく、こういうふうに見える、
あ、こういうふうにも見える、と、見えの行き来が起きている状態が、モノの実体なのです。
単なる白いTシャツにも見え、色つきの糸でヘタに縫い合わされたようにも見え、
また生きた糸が勝手にTシャツを縫ってしまったようにも見える、そんなTシャツです。