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各Tシャツの見どころを、お教えします! 日本人編

0613

みなさん、こんにちは。

さてさて、今回は
前回の外国人デザイナー編に引き続き、
日本人デザイナーのTシャツのみどころを
ちょこっとずつ、紹介していきましょう。

日本を代表する、精鋭10人のTシャツ。

さっそく、一気に行きましょう!
それでは、どうぞ!

●鯉のぼり2006

青木克憲
Katsunori Aoki

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胸に「鯉のぼり」をかぶった(!?)男の子のイラスト、
そして背中には、「Japan」の文字。
これらをシルバーで箔押しした「鯉のぼり2006」。
たとえば「富士山」のように、
むかしから日本の象徴なんだけれど、
現在にも通用するアイコンを追い求めた結果、
「鯉のぼり」というモチーフにたどり着いた青木さん。
イラストだけで、すでに「日本」なこのTシャツ、
童謡の『こいのぼり』のように
お父さん、お母さん、子供たちがならんで、
家族みんなで着てほしい、とのことでした。
ちなみに、この「Japan」の文字、かわいらしいですよね?
これ、「アフロート」というオリジナルの書体なんですよ。

●stitched(ステッチド)

青木淳
Jun Aoki

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建築の分野からT-1に参加してくれた青木淳さん。
真っ白なボディに、左肩のあたりから背中にかけて
糸を模したピンクのプリントをあしらいました。
stitched(ステッチド)という名前のとおり、
ピンクの糸のようなプリント部分は、
ややインクを厚く盛って、まるで刺繍のよう。
ほとんど真っ白なTシャツなので、
その存在感が、いっそう際立ちますよね。
「単なる白いTシャツにも見え、
色つきの糸でヘタに縫い合わされたようにも見え、
また生きた糸が勝手に
Tシャツを縫ってしまったようにも見える、
そんなTシャツです」とは、ご本人からのコメント。


●MounT. FUJI(マウンティー・フジ)

秋山具義
Gugi Akiyama

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日本にあるもので、日本人にはもちろんのこと、
外国のかたからも愛されているものって、何だ!?
考えに考え抜いた秋山さんが
最終的にたどり着いた答えは、やはり「富士山」!
このTシャツを着て、
富士山を背景に写真を撮ってほしいし、
富士山に登るときにも着てほしい。
でもじつは、街で着るのがかっこいいはず!
ちなみに、酔っぱらったり、怒ったりして
顔が真っ赤になったときに着ていると
富士山が噴火しているように見えます、
との、たのしい着こなしアドバイスも!

●ライオン、跳ねている。(LION HA-NETEIRU.)

井上嗣也
Tsuguya Inoue

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イラン絨緞の絵柄にあったライオンに触発され、
着ていると、元気で楽しくなれそうな
Tシャツにしようと決めた、井上さん。
ヘビにおしりをかまれ、「跳ねて」いるライオン。
コム デ ギャルソンの広告をはじめ、
一連の代表作とは、またひと味ちがった、
もうひとつの井上さんワールドが展開されています。
なお、このTシャツに似合う音楽は?
とお聞きしたところ、
THE TOKENSの
“THE LION SLEEPS TONIGHT”を挙げてくれました。
つまり、「ライオンは、ねている」。
そして、Tシャツの名前が「ライオン、はねている」‥‥。

●愛したい日本

大橋歩
Ayumi Ohashi

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大橋さんがモチーフに選んだのは、
日本の「波」と「太陽」、
そして、背中の「富士山」。
ボディの色は、サッカー日本代表の
チームカラーでおなじみ、ジャパンブルーです。
昨年のT-1にひきつづき、大橋さんならではの
ほんわかとしたテイストのイラストで、
今回も、幅広い層に支持されそうな
Tシャツに仕上がりました。
そして、その名前は「愛したい日本」。
誇れる日本について、考えてほしいという
大橋さんからのメッセージも、届いていますよ。


●JPNAA

佐藤可士和
Kashiwa Sato

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ほんのりとしたさくら色に
マットなシルバーのプリントで、「JPNAA」。
そして、背中を見てみると、
こちらには「ANPJA」のバックプリント。
もちろん、これらは「JAPAN」を表しています。
可士和さんによると、ストレートに「JAPAN」と書いても
なんだかバカげてておもしろい、と思ったそうなんですが、
日本で着るには、ちょっとむずかしいかも!?
かといって「JPN」もありきたりでつまらないので、
「JAPAN」のアルファベットを組みかえて、
「JPNAA」「ANPJA」のように記号化してみた、とのこと。
なお、シルバー部分は、ラバーインクにアルミを混ぜたもので
青木克憲さんの銀箔とはちがい、ちょっとざらざらした質感。

●104.5°

佐藤卓
Taku Satoh

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昨年の第1回 T-1ワールドカップでは、
右手の届く範囲にマーカーで色をつけたデザインと、
左手の届く範囲でガムテープを貼りつけたデザイン、
という、インパクトの強いTシャツで勝負してきた、卓さん。
うってかわって今回は、
さわやかなミントグリーンのボディに
シンプルなロゴを載せたデザインで参戦してくれました。
しかし、そのロゴは「104.5°」というナゾの数値。
卓さんによると、地球上のすべてのものは、
「何かがこの角度でなければ、存在できない」らしいんです。
そして、タグには「an important angle for us」
という意味ありげな言葉が、書かれています。
さて、問題。この角度はいったい何の角度でしょう?

●sleeping fish

祖父江慎
Shin Sobue

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びっしりと描き込まれた曲線で、プールの水もようを表現。
そして、右胸の部分で静かにねむる、2匹の金魚。
祖父江さんのTシャツには、
今回も、随所にこだわりがつらぬかれています。
ブルー、プンク、イエローの組み合わせで
構成された金魚のプリントにも、
それぞれの色がずれないよう、入念にチェック。
「プールの水もようのイメージは、やや過剰なホックニー、
そこにリアルなうろこを持ちながら、
シルエットがややマティスな金魚」というのが
「sleeping fish」制作の際、祖父江さんが抱いたイメージ。
ここで、ホックニーとは、プールを描いた作品で有名なアーティスト、
マティスは、「野獣派の王」と呼ばれた20世紀の芸術家のことです。

●バラ色

深澤直人
Naoto Fukasawa

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日の丸を思わせるような白地×赤のカラーリングは、
日本を象徴するイメージ。
そして、衣類にプリントする花柄としての定番、
といえば、バラの花。
そのふたつのモチーフを、
サッカーボールと組み合わせてできたのが、
深澤さんのTシャツ、「バラ色」です。
日本、バラ、サッカーボールという
一見、まったく関係のないモチーフを使いながら
今回のT-1ワールドカップためのTシャツに
ふさわしいコンセプトを持った一枚に仕上げてしまうあたり
さすが、世界でもトップクラスのプロダクトデザイナー!
プリント工程で幾多の試行錯誤を繰り返し、ようやく完成した
赤いバラの発色とグラデーションに、注目してください!

●オレココT(WHERE IS YOUR COUNTRY?)

箭内道彦
Michihiko Yanai

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当初、胸に赤い文字で「JAPAN」、
背中に「NIPPON」、そして袖に日の丸旗、という
まったく別のデザインを予定していた箭内さんですが、
「突然、コミュニケーションのきっかけに
なれるようなTシャツが作りたくなった」と
急きょ、「オレココT」にデザイン変更。
このTシャツを着た人が
「オレの国はココだぜ!」と指を差せば、
まわりの人も「オレはココ!」と指差しかえす。
このTシャツは、そんなコミュニケーションツールなのです。
なお、世界地図のプリントには
「光を蓄積し、暗闇で光る」という性質を持つ
「蓄光インク」を使用しています。
昼でも、夜でも楽しいTシャツ!

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以上、参加デザイナー全24組のTシャツを、
そのエッセンスのみ抜きだして、
ざざーっと紹介してきましたが、
さすがに、一筋縄ではいかないものばかりでしょう?

このTシャツ、こんなデザイナーが作った、
こんな意味のTシャツなんだよ!! なんて
ついつい、まわりの人に
言いたくなってしまうんじゃないでしょうか。

そして、これら24枚なかから、
Tシャツの世界王者が、生まれるのです。

みなさん、どのTシャツに投票しますか?

たたかいは、まだまだ序盤戦です!

2006/6/13 火曜日