
みなさん、こんにちは。
今回のT-1 ワールドカップには、
24枚のTシャツがエントリーしていますが、
みなさん、ひととおりチェックし終わりましたか?
それぞれのTシャツには、名前がついていたり、
デザインに込められたメッセージがあったりするんです。
でも、各Tシャツの紹介ページは
ひとりひとり、けっこうボリュームがありますよね。
そこで、なにかとお忙しいみなさんのために、
各Tシャツのみどころを、ちょこっとずつ、
いいとこどりで、お教えしてしまいましょう!
まず、本日は
14組の外国人デザイナーのTシャツを
一気に解説してゆきます。
気になったTシャツに出会ったら、
そのアーティストのページをご覧になってくださいね。
より詳しいインフォメーションが、もりだくさんですよ!
それでは、さっそく、行きましょう!
●Peace from New York
Stefan Sagmeister(ステファン・サグマイスター)
アメリカ合衆国

この「NEW YORK CITY」の文字、
ちょっとヘンなかたちをしていますよね。
これ、じつは著名なフォトグラファーである
ボブ・グルーエンが撮影したジョン・レノンのポートレイトで
ジョンが着ているTシャツに描かれたロゴを、
そのまま切り抜いて、プリントしたものなんです。
そしてタグには、そのジョンのポートレイト写真が!
●Be Great
Kam Tang(カム・タン)
イギリス

白地にあざやかな赤のイラストで印象的な
カム・タンさんの「Be Great」。
このインパクトのあるイラストは、
サッカーとは、どのようにプレイされるべきか、
そして、Tシャツとはどのように着られるべきなのか、
についての、カム・タンさんの考えが込められているとか。
明るく、元気に、ダイナミックに! ということなんでしょうか?
ちなみにTシャツ名である「Be Great」とは
GB(Great Britain=英国)をもじったジョークです。
●うさぎです。よろしく。
Tom Vincent(トム・ヴィンセント)
イギリス

トムさんのイギリスの実家のとなりにある、
小さな谷を朝早く散歩してみると、
野原にうさぎがたくさん跳ねまわって遊んでいます。
数時間後、魔法のようにみんな消えてしまい、
一匹の牡羊が残ります。
そんなイギリスの田舎の風景を、
トムさんらしいイラストと色で表現した、かわいらしいTシャツ。
なお、こちらのページでは
そんなうさぎさんたちの冒険が、楽しめますよ。
●Tea-shirt
Klein Dytham architecture(クライン ダイサム アーキテクツ)
イギリス/イタリア

紅茶のティーカップに抹茶をたてる道具を組み合わせた、
その名も「Tea-shirt」(ティー・シャツ)!
日本に本拠地を置く外国人建設家ユニット・KDaならでは、
ヨーロッパと日本の文化を絶妙にブレンドしたTシャツです。
なお、「LET’S FOREIGN」のロゴ、および
背中にプリントされている「ガイジン上等!!!」も
「もっと自分がガイジンになれるとこへ行こうよ!」
という、KDaからのグローバルなメッセージ。
●Das Fussballfeld
Erik Spiekermann(エリック・シュピーカーマン)
ドイツ

Das Fussballfeldとは、ドイツ語で「サッカーフィールド」。
W杯のホスト国・ドイツで活躍するエリックさんは、
フィールドのイラストに、センターラインなどの名称や、
その寸法などをレイアウトしました。
ルールやメジャーといった要素をデザインすることで、
統率のとれたドイツのサッカーを表現しています。
同時に、ジャンプしたり、シュートしたり、ゴールに騒いだり‥‥
そんな、ダイナミックなイメージとはまた別の、
すべてのスポーツにはルールと寸法とシステムがあるんだ、
というメッセージもかくされているのです。
●Blue baby
Hamansutra(ハーマンズトラ)
ドイツ/イラン

今回の参加者のなかで唯一のファッションデザイナーである
ハーマンズトラさんの「Blue baby」。
クラッシュドダミー(自動車の衝突実験に使われる人形)の
赤ちゃんを、全面にプリントしています。
デザイン処理は、さすがにファッショナブルなんですが、
この絵には「この世界に生まれてくる新生児」という、
現代世界のぼくらにとって、ちょっと
考えさせられるメッセージが、込められているんです。
●Chopin funclub !
Kinga(キンガ)
ポーランド

母国・ポーランドの有名作曲家、
フレデリック・ショパンへのリスペクトを
明るくハッピーなイラストであらわしたキンガさん。
ショパンの音楽は、
つねにポーランドの民衆芸術と密接していました。
そして、このTシャツには
グローバリズムが進み、だんだん国家の特徴が失われるいま、
そんなショパンのようなお手本が、これまで以上に必要なんだ!
というキンガさんの思いが込められています。
ポーランドへ旅するときには、ぜひ着てきて欲しいとのこと。
●T(ypography)-shirt !
Oded Ezer(オーデッド・エーザ)
イスラエル

本国のイスラエルではかなりの有名人だという、
タイポグラフィーのアーティストであるオーデッドさん。
一見すると、絵のような、模様のようなデザインですが、
これ、じつは「文字」。ヘブライ語で
「タイポグラフィー」と、書かれているそうなんです。
文字だけを使って
エキサイティングなTシャツをデザインしたかった、
という言葉どおり、インパクトにあふれた一枚ですね。
●Intersteller Greeting Card
Silas Hickey(サイラス・ヒッキー)
オーストラリア

日本語に訳すと「星と星の間のあいさつ状」と
名付けられたサイラスさんのTシャツは、
1970年代に打ち上げられた、
宇宙探査機パイオニア10号と11号に取り付けられた
プラーク(記念銘板)が、デザインのモチーフ。
人間の男女と太陽系の星の位置を描いたプラークの真ん中に、
「HAPPY ENDING」という言葉をレイアウトしています。
オーストラリアには多様な民族が暮らしているので
僕は地球の代表でもあるとも言えるかもね、という
ご自身の言葉をヴィジュアル化したデザインとも言えそうです。
●Ventriloquist of Eleven
Nando Costa(ナンド・コスタ)
ブラジル

一見すると、ちょっとわからないのですが、
ナンドさんのTシャツも、テーマは「サッカー」。
「Ventriloquist」とは、腹話術師のこと。
つまり、「Ventriloquist of Eleven」は、
サッカーチームを操作する監督の役割を
ボディの上に表現したTシャツなのです。
チームの監督を腹話術師に置き換えて、
その「支配力」をイメージに置き換えてみた、
というコンセプトです。
●Fighting Club
Poledesign(ポールデザイン)
中国

競争が激しく、みんな慌ただしい毎日を送る上海は
まるでサッカーコートのなかにいるようだ、
と話す、ポールデザインのチ・チェンさん。
日々、競争相手、もしくは自分自身と
闘わなければいけないような上海の社会を
イメージしたのが「Fighting Club」です。
漢字や雲のふち取り部分は、インクを厚盛りにしていて、
見た目も手ざわりも、立体的なTシャツです。
●Ma Eum
Mimi Son(ミミ・ソン)
韓国

植物のイラストのなかに、ハングル文字で配置された
「Ma Eum(マウム)」とは、韓国語で「心」という意味。
ミミさんは、その言葉を、
花が咲いているイメージとして捉えました。
このやさしげなTシャツをとおして、
多くの人びととコミュニケーションを取ってみたい、
というのが、T-1ワールドカップ事務局に寄せられた、
ミミさんからのメッセージです。
●Kickheads
Phunk studio(ファンクスタジオ)
シンガポール

ファンクスタジオの4人が子供のころのこと。
空き地には、「サッカー禁止」の看板がありました。
でも彼らは、そこで毎日ボールを蹴っていたそうです。
人種や財産、年齢や身分に関係なく、
誰でもプレイできるのがサッカーだ!
そんな思いを、たくさんの人がボールを蹴っている
イメージに落とし込んだのが、この「Kickheads」。
ちなみにTシャツの後ろ側は、
表のデザインが白黒反転しています。
●The Configurable T-shirt
Usman Haque(ウスマン・ハック)
PLANET EARTH

発泡性のインクでプリントした、六角形のピクセル。
このピクセルのひとつひとつを黒いペンでぬれば、
自分の好きなデザインに塗りわけることができる、というしかけ。
だから、Tシャツの名前に、「設定可能な」を意味する
「Configurable」という言葉が、ついているんです。
また、ウスマンさんは、このしかけを
ウェブ上で試せるようなサイトを作ってくれました。
みなさんぜひ、お好きなデザインを、
いろいろと試してみてくださいね!

いかがでしたか?
このTシャツって、こんな意味があるんだー、
なんてことを知ってから改めて見返すと、
なんだか、また別の魅力を感じますよね!
こんな調子で、
明日は10名の日本代表デザイナーの
Tシャツをご紹介してゆきます。
それでは、お楽しみに!
2006/6/12 月曜日
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