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NEWS!!

9名のデザイナーの方からの終了後のメッセージを掲載いたします!そして、トムさんに、ささやかなお祝いを。

みなさん、こんにちは。

第1回「T-1ワールドカップ」が終わり、
ひと月が経ちました。
出場者9名、参加Tシャツ18枚、
16日間の闘いのなか、
みなさんはどんなことをお感じになったでしょうか。

第1回チャンピオンとなったトム・ヴィンセントさんは、
お祝いの会で、
「こんなはずじゃなかったんじゃないかな?」
「こんなはずじゃなかったんじゃないかな?」
と、何度もおっしゃっていました。
でも、同時に、自分のTシャツは優勝する、と
あるところで確信を持っていたそうです。
(そういえば、ほとんどの出場者の方が
 「自分Tシャツがいちばんになる
  なんてことはないだろうけど、
  自分のがぜったい優勝だと思う」
 と、おっしゃっていました)



「最初に、このお話をいただいたときには、
 楽しそうだな、やりたいなと、単純に思いました。
 でも、ほかの参加者の名前を聞いて
 ヤバイ、と蒼ざめ、
 そしてさらにヤバイと思ったのは、
 お客さんが買った数で優勝が決まる、
 ということについてでした。
 
 いつもの仕事とはちがって、
 クライアントがいない。
 自分の作品をつくるということともちがう。
 「売るためのもの」「買ってもらうもの」
 「自分が人に買ってほしいと思うもの」
 そこを探すことは、これまでほとんど
 やったことがありませんでした。
 どこから入って何を狙えばいいんだろう、
 と、悩みました。とても難しかった。
 
 この、ゾウとカメのTシャツで優勝したのは、
 じつはすごくうれしいんです。
 自分が仕事としては決してやらないもので、
 でも、自分がいちばん確実に持っているものを
 あらわしたTシャツだったから」



トムさんのメインのお仕事であるウェブデザインは、
どちらかというとロジカルなイメージがありますから、
動物のデザインを提出されたことが
はじめは、ちょっと意外でした。

「ウェブデザインは、
 ロジカルといえばロジカルなんだけど、
 基本的には“人間はどう行動するか”を
 扱っているものなんですよ。
 けっこうエモーショナルなところで、
 人間の行動を読むんです。
 完全に冷たいロジックで
 インターフェイスデザインや
 ウェブデザインをやると、失敗するんじゃないかな。
 
 なぜ、このTシャツがみなさんに
 訴えかけたんだろう? 知りたいです。
 でも、もしかしたらみんな、
 物語が好きだからじゃないかな、と思う。
 次のページが見たくなるような、
 考える素材、たのしむ素材‥‥
 どちらかというと、このTシャツは、
 オモチャに感覚が近いのかもしれない」
 
たしかに、トムさんの優勝したTシャツは、
絵本のように、
ものすごい動きを持っているようにも感じます。

「うちの娘がなかなか寝てくれなかった夜に、
 考えごとを与えれば寝てくれるかな、と思って
 “船に乗ってて、
  船長がどこかに鍵を隠した。
  その鍵が見つかれば箱の中に
  お菓子がたくさんあるから、探してみて。おやすみ”
 って、言ってみたんです。
 翌日、道を歩いていると、ふと娘が
 “ペンギンがいたよ、船に”
 と言い出したんです。そして、
 “島にあながあって、その中に鍵を見つけた”って」
 


T-1主宰者の糸井重里は、
トムさんのお話を受けて、こう話しました。

「トム個人の時間が、知らないあいだに
 あのTシャツに込められていたんですね。
 
 優勝したトムのTシャツは、
 ほんとうの、プライベートな“私”という、
 壊れやすいただの人間を前に出す、
 ということをやったものだと思います。
 そういう仕事をする機会は、なかなかないのですが、
 トムのウェブデザインの仕事のなかに
 そういうことができているすばらしいものが
 いくつかあります。
 アップルストア銀座で
 トムとトークイベントをしますが、
 そのあたりのこともお話できるといいですね。
 ところで、トムは
 ディフェンディングチャンピオンだから、
 次回のT-1には、参加しないといけないんだよ」



トムさん、よろしくお願いします。

「あぁぁぁー、どうしよう。
 わかった(笑)」



11月27日(日)に、
アップルストア銀座にて、
初代チャンピオンとなったトムさんと
糸井重里のトークイベントを行ないます。
「T-1ワールドカップ」にエントリーされた
18枚のTシャツも展示いたします。
どうぞ、お越しくださいね。

「T-1 WORLD CUP」Special Event トム・ヴィンセント×糸井重里 トークイベント
出演者: トム・ヴィンセント、糸井重里
開催日時: 11月27日(日)
17時〜19時トークイベント
トークイベント終了後
20時ぐらいまでTシャツ展示のみ開催
開催場所: アップルストア銀座 3階シアター
入場料: 無料
※トークイベントについては、席数、立ち見スペースにも
限りがあるため、会場にお入り頂けない場合もございます。
整理券は配布致しませんので、詳細につきましては、
アップルストアのスタッフにご確認ください。
 
Special Eventに関するお問合せ先:
  アップルストア銀座  03-5159-8200
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/



「ブレーン」編集長と「宣伝会議」編集長はT-1ワールドカップの闘いをこう見ていた。

トムさんのお祝いの会に、取材に来られた
「ブレーン」「宣伝会議」の編集長のおふたりに
今回のT-1について、うかがいました。

月刊「ブレーン」編集長・篠崎日向子さん

「個性豊かなTシャツばかりだったので、
 どれも欲しくて困りました。
 ただ投票するだけじゃなくて、選んで買う、
 ということが、このT-1の
 いちばんのポイントだったと思います。
 
 Tシャツを買うときって、
 ほかにはない、
 自分だけがどうしてもピンと来るものを
 さがしたいと思ったりします。
 ほかの商品とは気持ちの入り方がちがううえに、
 あのすごい18枚が並ぶなかで
 自分がほんとうにお金を出すものを決めるのは、
 至難の業です。
 そういう点において、この闘いには、
 ふだんのコンテストとはちがう意味あいが
 隠されていたんじゃないかなと感じました」


「宣伝会議」編集長・田中里沙さん

「参加するみなさんが、悩みに悩んだようすが
 更新される記事やひとつひとつのTシャツに出ていて、
 すごい!と感じました。
 アート展などでは、
 名前さえ入れば評価されることもありますから、
 “出しときゃいいか”というような傾向が
 ときには、あったりします。
 でも今回は、Tシャツが実際に買われるわけですから、
 デザインされたみなさんの意識が
 そうとうちがったんじゃないかなと思います。
 
 カスタマーとクリエーションが
 こんなふうにつながるんだ、ということを含めて
 このT-1が、いま
 世の中に投げかけているものって、
 すごく深いと思います。
 いいものって何だろうとか、
 私たちが本当に欲しいものって何だろうとか、
 そういうことをすごく感じさせてくれる
 すばらしい機会でした」



2005-11-25



 
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